そよ風の通る家(1996)


──ゆとりある郊外住宅──

(末尾に図面・データがあります)

西側外観

外観

そよ風の通る家 アクソメ

南外観

外観

 豊かな自然に囲まれた郊外の住宅です。地下1階地上2階、ゲストハウス的な用途もあり、比較的規模の大きな住宅です。


 地階は一部斜面に顔を出し、テラスから光を取り込んでいます。80cmの隙間がある2重壁構造で空気が循環、地下とは思えない快適空間です。

居間

居間(1階)

 1階は居間や応接間、和室などのパブリックスペースを庭に向かって展開させ、北側に家事などの機能を集約しました。


 全体に自然の素材を使っています。無垢の木フローリング、ウール絨毯、布製クロス、石、漆喰と、健康建材を選択しました。塗料、接着剤などの選択も健康を重視しています。

寝室

寝室(2階)

 2階は寝室・浴室などプライベートスペースが集まります。木造の屋根架構が個室群を緩やかに覆っています。


 木造の屋根架構は、中田捷夫研究室の協力のもと、日本で初めて堅固なドイツの構法を起用しました。外からは見えない金物が、木材を内部でつなぎ止めています。


 屋根の断熱材の厚さは7cm、これもドイツ仕様に近づけています。そして開口部は全てペアガラス木製サッシ。建物全体の断熱性を高めました。夏は涼しく冬は温かく、住んでみて初めてわかる快適感です。天井が高くても冬温かく、夜暖房を切っても朝までぬくもりが残ります。


 寝室の壁面一杯の収納には、小物から衣類、ボストンバックまですっきりと納まります。

車庫棟を見る

和室から車庫を見る

 最適な日照条件を利用して、別棟の車庫の屋根にソーラの自家発電システムを組み込みました。毎月の発電量が楽しみです。余った電力は関西電力が買い取ります。


 温水床暖房や風呂の給湯もこのソーラシステムがまかないます。その他主な熱源はガスです。電気と比べコストは驚くほど低額。


 断熱性とも合わせて、家全体のランニングコストが低く抑えられています。



そよ風の通る家 平面図

そよ風の通る家 配置図

所在 大阪府豊中市


構造 鉄筋コンクリート壁式構造
  (屋根・和室棟 木造)

基礎 PC杭


規模 敷地 1872平方m
   建築 381平方m 地下1F 地上2F
   延床 737平方m


設計 建築 ロート美恵建築設計事務所
   構造 中田捷夫研究室
   設備 川口設備研究所
   電気 山崎設備設計事務所

施工 高野建築株式会社

※新建築社 住宅特集 jt 1997.1月号に掲載 (作品名:東豊中の家)